フレームワークの最新情報を追いかけて更新計画を立てられるようになろう


先日新島に旅行に行きました。島は良いものです。年に一度は島旅行、よしざわです。

突然ですが皆さんのプロジェクトでは、フレームワークのアップデートはされていますでしょうか。
フレームワークの最新バージョンを追いかけることは、単なる「新しもの好き」ではありません。適切なタイミングでアップデートを行うことで、開発効率の向上、ユーザー体験の改善、そして技術的負債の回避という実利を得ることができます。

Gaji-Labo のエンジニアとして、なぜ最新情報を追いかけるのか

Gaji-Labo が大事にしている考え方の中に「長続きしないやり方を選ばない」「短期的視点だけで判断しない」といった考えがあり、私はこの考えを実践するための意識の一つとして「フレームワークの最新情報に乗り遅れない」ということを大事にしています。
全く新しい情報を取り入れないプロジェクトではライブラリやフレームワークの更新が後手後手にまわり、長続きするやり方とはいえません。また、最新バージョンに良い機能があるからすぐにバージョンを上げよう!という考え方も短期視点すぎます。

最新バージョンの情報をより早い段階で入手することで、バージョンアップのメリットとデメリットについて検討する余裕が生まれ、適切なタイミングでバージョンアップを行う判断を取ることができるようになります。

今回は、フレームワークの最新情報の具体例として先月リリースされた Next.js 16 について紹介し、みなさんにフレームワークの最新情報を追い続ける重要性を伝えられたらと思います。

Turbopack が正式にデフォルトのバンドラーに

Next.js 16では、Rustベースのバンドラーである Turbopack が正式にデフォルトとなりました。これまでベータ版として提供されていた機能が、ついに安定版として全てのプロジェクトで利用可能になります。

公式発表された改善数値

Vercelの公式発表によると、Turbopackは以下の改善を実現しています:

  • Fast Refresh: 最大10倍高速化
  • プロダクションビルド: 2〜5倍高速化
  • File System Caching(ベータ): 大規模アプリケーションでの起動時間とコンパイル時間をさらに短縮

実際に私も手元の個人開発プロジェクトで Next.js 16 にバージョンアップして Turbopack を利用したところ、明らかにホットリロードの速度が向上し、違いを体感できました。しかしこの機能は開発環境の機能なこともあり Next.js 15 でも不自由なく利用することができていたため、バージョンアップを急ぐ理由にはならないかもしれません。

React Compiler による自動最適化

Next.js 16 では、React Compiler のサポートが安定版として提供されるようになりました。これにより、手動で memo 化をせずともレンダリングの最適化を行うことができます。

今までであれば重たいコンポーネントは手動でメモ化をする必要があり、適切にメモ化をするためには実装者の経験や慎重なテストが求められるケースがありましたが、 Next.js 16 からは設定を一行追加するだけで不要になります。

React Compiler による最適化は babel を利用しておりコンパイルの時間が微増してしまう懸念もありますが、早めに導入することでメモ化の実装を減らすことができるため、個人的に優先して導入したい機能の一つです。

まとめ

今回例としてあげた2つの更新のほかにも、 Cache Component の導入や Next.js DevTools MCP などさまざまな機能追加があり、 Node.js のサポート最小バージョンが ver 18.18.0 から ver 20.9.0 にアップデートするなどさまざまな変化がありました。
Turbopack の安定版リリースのような開発生産性に直結する可能性のある変更や、 React Compiler の正式リリース、Cache Component など、みなさんのプロジェクトで今欲しかった機能や、プロジェクトのアーキテクチャ見直しに繋がるような更新があったのではないでしょうか。

これらの情報は、待っていてもいずれどこかから入手する情報かもしれません。
しかし積極的に情報を入手できる体制を整えることで、今までより早く手に入れて、実装計画を修正したり、スピーディーに導入して恩恵を最大化するなど様々な対応をとることができるようになります。

全てのアップデートに早急に対応するべきということではありませんが、ぜひ皆さんも、これからはより意識してアンテナを強く張り、より早いうちに、フレームワークの更新計画を建てられる状態を目指してみてはいかがでしょうか。

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投稿者 Asato Yoshizawa

受託会社で複数のCMS開発やtoCサービスの立ち上げ、運用を経験しGaji-Laboに参加。開発速度や保守運用、プロダクト特性などを考慮できるフロントエンドエンジニアを目指しています。ブルーライトに疲れると癒しを求めて森へ向かう傾向があります。