知りながら手を動かす、AI 時代の学習法


みなさんこんにちは、チョコレートの包み紙で小さい折り鶴を作るのにハマっているよしざわです。

みなさんは、AI を使って新しい技術を学習したことはありますか?

実装やタスク整理に大助かりの AI ですが、学習においては「便利すぎること」が致命的な欠点になります。エラーは一瞬で修正され、コードも自動で生成されるため、手元に動く成果物は残っても、頭に知識が定着しないという経験はないでしょうか。

しかし、Claude Code に少しの工夫を加えるだけで、新し技術習得のための強力なパートナーになります。

今回は Ruby on Rails の学習を例にしつつ、 Claude Code を使ってどのように学習を進めたのか、原則編、準備編、実践編の3ステップに分けて、活用のコツを紹介したいと思います。

※ AI の発言に全てが正しい保証はありません。必要に応じて裏どりをするように心がけてください。

原則編:AI 学習で守るべき3つのルール

具体的なやり方の前に、AI を使って学習するときに私が意識していたルールを3つ紹介します。これは Ruby on Rails に限らず、どんな技術を学ぶときにも共通する考え方です。

1. AI には教えてもらってコードは書かせない

AI が身近な時代ではありますが、学習において最も重要なことは「 AI を使いつつ、 AI 台頭以前と同じことをする」ことだと考えています。基本方針として、 AI に頼らず自力で実装。模写は大事。セットアップもちゃんと公式のコマンドで行う。ということです。

AI はあくまで「聞いたら教えてくれる先生」であって、「代わりにやってくれるアシスタント」ではない。この線引きを最初に決めておくことが一番大事です。

これらのルールは、後述する CLAUDE.md で AI に強制させることもできます。

2. 分からない言葉を放置しない

今までの学習では、よく分からないけど今知っても仕方ないので後回し、といった説明が多くあったと思います。しかし AI と一緒に学習している場合は、「その XX について簡単に教えて欲しい」と一言告げるだけで簡単に寄り道ができます。

これは些細に見えて、AI 学習の最大の武器のひとつだと思います。わからない言葉が出てきたらその都度聞いてどんどん脇道に逸れる。そして納得したら元の道に戻る。この「寄り道が一瞬でできる」体験は、今までの学習方法では絶対に得られ無い体験だと思います。

3. 自分から疑問を持ち続ける

先に述べた2つの原則の根っこのようなルールですが、 「常に疑問や質問を考えながら進めていくこと」が最も重要なルールです。普段のように淡々と進めるのではなく、あくまで自発的な学びを AI に補助させているスタンスを忘れないようにすると良いと思います。

このルールを特に意識しながら学習を進めることで、自然と先2つのルールも守りながらより学びのある楽しい学習にすることができると思います。

準備編:AIとの壁打ちで”学習の地図”を手に入れる

「REST API の設計パターンを学びたい」「React の状態管理を理解したい」のように、学びたいことが具体的に決まっている人はこのステップはスキップして大丈夫です。

この準備編は、「Ruby on Rails について詳しくなりたい!」「Next.js を使えるようになりたい!」のような、漠然とした目標で走り出すときのためのステップです。知らない土地を歩くのに地図があると安心するように、まずは AI との壁打ちで学習の地図を作ります。

全体像をざっくり掴む

新しい技術に向き合ったとき、最初に困るのは「何から手をつければいいかわからない」ことだと思います。そんなときは、AI に全体像を聞くところから始めると良いです。私が Ruby on Rails を学び始めたときに投げたプロンプトはこんな感じでした。

Ruby on RailsをつかってBEの勉強をしようと思ってる。 カレンダーアプリを作るとして、構成とかコツとか用語とか、いろいろくわしくおしえてほしい

ポイントは、自分が想像しやすい具体例を使うことです。「Ruby on Rails について教えて」だけだと、説明が抽象的になりがちです。カレンダーアプリや TODO アプリのように、自分が機能を想像できる題材を添えることで、どんな機能があってどう使われているのかまで想像できるようになり、インプットの質が高まりました。

気になったところを掘り下げる

全体像が見えてきたら、気になった部分をさらに深掘りします。私の場合は MVC というアーキテクチャパターンが気になったので、こう聞きました。

MVCについて詳しく教えてほしい。コードは書かれてもわかんないから日本語で。

ここでも大事なのは、なるべく自分がイメージしやすいように教えてもらうことだと思います。私はこの時点ではまだ Ruby の記法にあまり明るくなかったため、具体的な実装例を省いて日本語で教えてもらいました。

こうした「全体を知る → 気になるところを深掘る」のサイクルを何度か回すと、「自分がこれから何を学ぼうとしているのか」「どのあたりが難しそうか」の見当がつくようになります。完璧に理解する必要はなく、ぼんやりとどんな要素、機能、特徴があるのか把握できれば十分です。

地図を手に入れたら、いよいよ手を動かすフェーズに進みましょう。

実践編:AIにフォローしてもらいながら、どんどん手を動かす

地図ができたら、いよいよ手を動かすフェーズです。繰り返しにはなりますが、最終的に学習で最も重要なことは、「自分の手を動かすこと」だと思います。

あくまでもここまでのインプットは準備だと認識して、実践編でたくさん手を動かすことを意識して取り組みましょう。

また、実際に取り組む前に、 AI を学習用にセットアップする必要があります。
Claude Code であれば CLAUDE.md に記述することで学習用ルールを強制できます。
参考までに、今回私が使用した CLAUDE.md を共有します。

## このプロジェクトの目的

**フロントエンドエンジニアがバックエンド(Rails)を学ぶための学習プロジェクト。**

### Claudeへの指示

- **聞かれたことに答える。それ以上のことはしない。**
- 指示されていないコードの追加・リファクタ・改善提案は行わない
- 質問された範囲だけに集中して回答する
- 先回りして「ついでにこれも直しましょう」とは言わない
- 基本的に実装はユーザーに手を動かさせ、指示がない限り些細な修正であっても自分では行わない
- **ただし、学びの機会がある場合はヒントを出す**
  - 「なぜこう書くのか」の背景知識を簡潔に補足する
  - 関連する Rails の概念やパターンへのポインタを示す
  - 「興味があれば調べてみてください」程度の軽い誘導に留める

この CLAUDE.md は私が Rails を学ぶために書いたものですが、学習対象に合わせて自由にカスタマイズしてみてください。大事なのは「学習のためという意図」「聞かれたこと以上のことはしない」の2点を正しく伝えることだと思います。

手を動かして、つまずいて、質問する

AI のセットアップが完了したら、何か目標を決めて、実際に手を動かしてみましょう。AI の補助があるとはいえ手を動かすのは自分なので、最初の一歩はそこまで高い目標じゃない方が良いと思います。

私の場合は TODO アプリを作ることをゴールにして実践を進めました。最初に Claude に投げたのは次のプロンプトです。

Rails アプリケーションのセットアップをしたい。基本的に自分で作業して進めたいので、コマンドとか教えてほしい

ここで Claude から教えてもらったコマンドを、一つひとつ自分のターミナルで打っていきました。

この「自分で打つ」がとても大事だと思います。AI にコマンドを実行させれば一瞬で終わりますが、なんだかんだうまくいかずにエラーを起こして、 Claude に原因を聞いて、理解して、修正して再トライといったサイクルが生まれます。このサイクルが、学習を定着させる重要なポイントだと思います。

エラーが起こってしまったら、エラーの原因も全部聞いてしまって問題ないです。ただし、納得できるまで詳細に聞いていきましょう。そうして納得を増やして、また手を動かしましょう。

従来のブログやチュートリアルでの学習と決定的に違うのは、このようにいつでも脇道に逸れられることです。「そういえばこの仕組みってどうなってるんだろう」と思ったら、いつでも簡単に深ぼることができます。寄り道をして、納得したら元の道に戻る。この自由さが AI と一緒に学ぶ最大のメリットだと感じました。

おわりに

AI を利用した学習は、ブログやチュートリアルでの学習と比べ、「いつでも脇道に逸れて知識を広げることができる」という唯一無二のメリットがあります。

また従来であれば、新しい技術を実際に活用するためにはまず自分が理解をしている必要がありました。しかし AI を利用することで、理解と実践を同時に進めることができるようになりました。

この記事を読んでくださった皆さんが同じように AI を活用し、知る楽しみと使える楽しみをどんどん味わっていっていただけたら嬉しく思います。

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投稿者 Asato Yoshizawa

受託会社で複数のCMS開発やtoCサービスの立ち上げ、運用を経験しGaji-Laboに参加。開発速度や保守運用、プロダクト特性などを考慮できるフロントエンドエンジニアを目指しています。ブルーライトに疲れると癒しを求めて森へ向かう傾向があります。