「デザイン」の意味と本質と


UIデザインを生業にしているため、「デザイン」という言葉はとても身近です。
日本語でも英語でも通じるワードではありますが、一般的に使われている場面においての意味は日本語と英語で違いがあるように感じます。

UIデザインやデザインという業務の中では言葉の使い方は意味を理解して使うことが大切です。意味をわかった上で使いたいということで、少し整理をしてみます。

日本語の「デザイン」は意匠デザインされたものを示し「設計」は異なる概念を表しています。一方、英語の「design」には日本語でのおける「意匠」の意味に加えて、設計されたもの、計画されたものやモデルも含まれします。これは英語圏のDesigner(デザイナー)が見た目の意匠だけでなく、機能や仕組みも重視していることを示しているのではないかといえるのではないかと考えます。

日本でデザインと言うときにはどのようなものを意味しているのでしょうか?
多くの場合ではジュアライズすること、つまり形や色などの見た目を表現することが強調されているように感じます。

ビジュアライズはデザインにおいて重要な要素ですが、デザインをするということについてでは、それだけでは十分ではありません。デザインには、目的や対象を考慮し情報の設計がなされたものであることが必要だと思います。デジタルやフィジカルであっても、それがデザインの本質と考えます。

UIデザインという分野ではこのデザインの本質がとくに求められます。UIデザインとは、ユーザーが触れるインタラクションや画面をデザインすることです。UIデザインでは見た目の配置やスタイルのビジュアライズだけでなく、ユーザーのニーズや行動を理解し機能を使うことを快適な体験とすることを目的としています。そのためには見た目だけでなく、機能や仕組みも考える必要があります。つまり、UIデザインにおいては、日本語の「デザイン」「設計」それぞれだけでなく、もっと包括的な意味のある英語で言う「Design」が重要です

言葉は意味を理解して使わないと、伝えたいことが伝わらなかったり誤解されたりすることがあります。またデザイン上のライティングとしての言葉の使い方はデザインにも大きな影響を与えます。言葉には意味があり、その意味を理解して使うことが良いデザインを生み出すための第一歩と考えます。
正しく言葉を使う必要があるのは、デザインの画面の上も、デザインをつくるための意識にも必要です。


投稿者 Imanishi Emi

UIデザイングループリード。
制作会社でプロモーションサイトや広告のデザイン制作、受託開発会社にてサービスのUIデザインを経験し、Gaji-Laboに参加。ユーザーが使いやすいインターフェースデザインづくりと、フロントエンドで実現するUIデザインの橋渡しについて考えます。
実際にインターフェースを試したりフィクションの世界のUIにヒントをもらいながら、心地よく使えるデザインを考えるのが好き。