受託企業が頑張ってブログ記事を書いて変わったこと


事業会社とくらべて受託制作や受託開発の企業は自社ブログなどのオウンドメディアを運営・維持するのは難しいという話が定期的に話題にのぼります。
受託案件をこなしながら運営するコストが払えないという問題だけでなく、効果を実感しづらく継続するモチベーションの維持が難しいというのも大きな原因だと思います。

Gaji-Labo では、効果はきっと出るはずと信じてとにかく継続することを目標に営業日は毎日更新というのを2019年にはじめました。
少ない人数で頑張って更新しているので、今は質より量という方針で更新しています。そのため、いわゆるバズを生む記事などはまだ出てきていませんし、有名になっているわけではありません。
それでもブログを書き続けて3つの分野で大きな変化が出てきているので、「受託企業でもブログがんばったらこんな効果があったよ」というのをまとめてみようと思います。

採用活動への影響

大手IT企業や勢いのあるスタートアップと比べて、常に黒子的な存在の受託企業は採用活動もなかなか難しいものがあります。
僕は受託もやりがいのある楽しい仕事だと思っていますが、一般的には「発注されたことだけをやる単調な仕事」というイメージがあるようにも感じています。
各受託企業ごとに特色をだすことも難しく、ブランディングへの投資をあまりしていなければ差別化ポイントも少ない業種な気がしています。

僕らはどうやら自分の実績や成果を皆さんにお伝えするのがとても下手なようです。(いまだに分かりやすい実績ページやお客様の声のようなコンテンツも作れていません・・・。)
ブログを書いていなければ何をしている会社なのかを知ってもらうことも難しい状態です。そんな状態で採用活動をしても転職活動中の方に興味を持ってもらうことは難しく、面談や面接にこぎつけても知ってもらえる情報が少なくカルチャーマッチなどはかれるわけもありませんでした。

最近はブログ記事でいろんな話題を書いていることもあり、カジュアル面談を希望する方がブログ記事を読んでくださっていることも増えました。
先に我々の考え方・スタンス・仕事内容を知ってもらえていると自然とお互いが重視していることをすり合わせる会話も弾みます。その過程で「この会社は違うな」と思われてしまう事も当然増えると思いますが、自分に合うか合わないかが早期に判断できるのは双方にとってとても良いことだと思います。

いろいろな指標で比較したときに他業種や競合他社に見劣りしていたとしても、何か一つ強く気に入ってもらえるところがあればチャンスは生まれると考えています。
そのきっかけを生むためには Gaji-Labo がどんな組織かを知ってもらえることが重要です。
最近は面接の過程で文化や姿勢が気に入ったと言っていただける機会が格段に増えました。全員で取り組んでいるブログこそがその導入になっていると感じます。

営業活動への影響

ここ数ヶ月は採用に本腰を入れているので、どんな会社か知ってもらうための記事をみんなで増やしていました。
会社文化や考え方、どんなツールを使っててどんな技術が好きで、どういう仕事がしたいのかなどなど。もちろん採用のためだけじゃなく、こうやって情報を増やしていけば営業活動もしやすくなるだろうという目論見はありました。

それでもこれまでの Gaji-Labo とは比較にならないぐらいお問い合わせをいただくようになりました。
ブログの更新頻度を上げる前はお客様同士の口コミに頼る営業スタイル(それを営業活動と呼んでいいのかすら疑問ですね)で、問い合わせフォームは置いてあるだけという感じでした。

最近は毎月新規のお客様からなにかしらの打診を頂いています。とくに採用向けのコンテンツを出すようになってから、我々の得意分野をすでに知ってらっしゃると感じる引き合いが増えました。
自分たちのことを語れていなかった頃はあまり得意でなかったりお引き受けしていない領域(プロモーション系コンテンツやページ量産・特定CMSの構築などなど)のお話も多く来ており、「対応は可能ですが専門性の高い他社さんのほうが費用対効果が高くなると思います」と別の会社さんの名前をお伝えすることも多かったです。

小さな会社なのでスケジュールや人員の都合で頂いた打診をすべてお引き受けすることはなかなか難しく心苦しいのですが、指名に近い形でのご相談をいただけるのは本当にありがたいです。
インバウンドマーケティングのようなことが出来るようになるなんて、ブログ更新頻度をあげたころは僕も信じきれていませんでした。いまではもう更新を止める選択肢はないなと思えるほどです。

チームが強くなった

もともと自分のブログ頻繁に更新した経験がありアウトプットが得意なメンバーも数名いますが、メンバーの大半が外向けの文章を書くのが苦手でした。(たぶん今も苦手意識が残るなかで頑張ってくれています。本当にありがたいです。)記事を出しても反応が薄かった頃は本当につらかったと思います。
でも、どんな仕事でも慣れてきて自分のなかでパターンが構築されてくると段々と抵抗が減ってくるようです。
お互いの記事を読んで感想が出てくるようになったり、社外でも読まれていることが分かってくると記事の精度がどんどん上がっていきました。

そして、文章を書くことのハードルが下がった結果、最近は思わぬところに効能がでているようです。
社内のちょっとしたドキュメントをみんなが当たり前に書くようになったのです。もちろん何もなく突然書かれはじめたということはなく、それぞれが必要だと声を上げて徐々に書く頻度が上がっていった結果です。
「社内のちょっとしたメモを書くなんてブログと比べたら全然楽。」「ブログネタに困ったから社内ドキュメントを見返している。」みたいな声を度々聞きました。

メンバーが別々の案件にアサインされがちな受託企業では、同じような内容の業務を頻繁に繰り返していても意外と知見の共有が行われにくいと考えています。
少なくとも Gaji-Labo はそうでした。最近では誰かが困ったときに過去のメモを引っ張ってきて瞬時に問題が解決する場面が増えてきました。
とくに採用強化をしてメンバーをどんどん増やそうとしているこのタイミングは、知見を可視化できているかどうかでオンボーディングの精度が全然違います。
これからもみんなの良いアウトプットで強いチームを作っていきたいです。

小さな受託企業でもブログ更新の効果はしっかりあります

受託企業でオウンドメディアが成功している会社は100人以上の規模があったり、スペシャリストを揃えた少数精鋭集団だったりということが多く、10人未満の我々のような零細では効果が出せないのではと以前は考えていました。
実際には本気で取り組みさえすれば無駄にはならないということが最近しっかりと実感できています。
もちろんお世辞にもかけた労力が少ないとは言えません。とても大変です。それでも、この先の組織成長に不安を覚えているなら一考の価値があるとおすすめできます。

僕も元からこうなると信じていたわけではありません。行き詰りを感じていたときに親身に相談にのっていただいた方に「まずは認知を取るんだよ。血反吐はいても書くんだよぉ!」と言われたのがきっかけでした。
大変ですが血反吐はくまえに効果が出始めて本当によかったです。これからもみんなで頑張ります。

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投稿者 Harada Naotaka

受託と事業会社の両方を経験し、沢山の事業を見てみたい気持ちで Gaji-Labo を共同創業。普段は雑用やったりプロジェクトマネジメントやったり、たまにフロントエンドのコードを書いたり。直近は Gaji-Labo をデザイン会社に転換していく課題に挑戦中。期待値コントロールにステ全振り。