pmconf 2025 にフロントエンドエンジニアが参加して考えたのは「どんなプロダクトを作るかだけが論点ではない」
フロントエンドエンジニアの茶木です。
12/4 に開催された プロダクトマネージャーカンファレンス 2025 | pmconf 2025 (東京イベント)に、弊社 Gaji-Labo メンバーの数名で参加してきました。
参加の経緯
Gaji-Labo では 8月に PM(プロダクトマネージャー)が 1名ジョインしました。
以前から、プロダクトマネジメントを理解して業務に当たることの重要性を感じていたのですが、PM がジョインし、連携しながらプロダクトの価値を磨く支援のできるチームワークを提供するには、もっとリアルな理解が必要と考えて参加しました。
PM の関心事は人それぞれ違う
会場に入って、世の中には、想像以上にたくさんの PM の人がいる、と思いました。
そして、各セッションや対面でお話を聴き、その PM の人たちの関心領域はそれぞれ違うということもわかりました。たとえば、経営層へのアプローチが必要でそちらへ染み出す人もいれば、エンジニア層に染み出す人もいます。その理由は プロダクトを世に出す・売るために必要なことが、プロダクトやフェーズで違い、画一的にこれを学べば OK というものはないからです。
真っ先に思い浮かぶプロダクトマネジメントについての論点は「どんなプロダクトを作るか、どうやって作るか」だと思っていましたが、これ以外にも色々な視点があると気が付きました。
各セッション概要
いくつか拝聴したセッションでの概要をかいつまんで以下にまとめました。
これらを背景に続く段落で、自分の得た新しい視点について述べようと思います。
リアルアセットの視点
セッション: デジタル領域で完結しない世界でのアジャイルな事業創出への挑戦
(ここでは鉄道業界の改札機など)リアルアセットは変更容易性が低く、デジタルのアジャイル開発と相性が悪い。これにどのように挑戦したか。
- 変更容易性の高低でウォーターフォールとアジャイルに振り分け、同時並行することは可能。
- ビジネス・開発の双方向の視点の理解が必要。
マーケティングの視点
セッション: 4%ルールとN1思考──不確実性に対抗するディスカバリー検証
0→1 の初期フェーズで使う意思決定方法 4%ルール / N1 思考について。
- 4%ルール: あるアイデアに 10点満点をつけた人(=熱狂者)が全体の 4%以上いれば、GOサインである。
- N1 思考: 架空のペルソナではなく、実在する 1人を理解し、本気で喜ばせる。
意思決定
セッション:
小さな判断で育つ、大きな意思決定力 ― 不具合チケットから学ぶプロダクトマネージャーの基礎
不具合チケットの優先度判断を通して PMの意思決定力を鍛えたエピソード。
意思決定は情報探索の段階において、すべての情報が揃うとは限らない。材料不足の中、選択と決断を行うとき価値観が必要になる。自分視点の正解ではなくプロダクトの価値基準を探す姿勢が大切。
獲得した新しい視点
前述のセッションをもとに、自分にとってのプロダクトマネジメントの新しい視点をまとめました。
- リアルアセットの視点
- マーケティングの視点
他にも気づけていない視点はあると思いますが、上記の視点でプロダクトを捉えることができ、それをもとに判断と決定を行うのがプロダクトマネジメントという理解です。
リアルアセットの視点
UX の設計はブラウザの表示だけで完結するものではないという道具的な視点は、デザインの観点としては日々の業務やフロントエンドの視点から遠くないもので、理解していたつもりですが、実体のある「ものづくり」の視点は欠けていました。
ここでテーマとなるのは実体を持ったデバイス自体の開発で、アプリとは違った開発手法を取ります。たとえば自分がこのプロジェクトにジョインしたならば、まず業界の理解や製品の理解が必要になると実感しました。
マーケティングの視点
ユーザーやフェーズという(自分にとっては)実体が想像しづらく捉えがたいものでも、向き合う方法がすでにあるというのは大きな発見でした。
0→1 期の構想や想定ユーザーなどは、機能のコアがどうあるべきかを考える上で大事です。ここの向き合い方が深まれば、フロントエンドエンジニア的な視点からも PM を助けるような技術的な判断を行えるようになると思いました。
意思決定と判断軸
意思決定の重要なテーマは、情報探索の段階で判断材料が不足したときの判断軸の話となります。往々にして判断材料は不完全にならざるを得ないというのは、フロントエンド視点でも痛感していることでした。
こういった場合、自分視点の正解でなくプロダクトの価値基準が必要になります。たとえば、前述の向き合うための方法である 0→1 期の 4%ルール / N1 思考 が具体例として挙げられます。どういったペルソナが想定されているのか PM と話しながら技術的な判断が行えるようになれると良いと思いました。
おわりに
最初に述べた、世の中には、想像以上にたくさんの PM の人がいる、はすなわち、プロジェクトに対するアプローチは千差万別であるということです。
自分がプロダクトマネジメントを行うとして、ややもすると、フロントエンジニアという自身のロールの視点だけに囚われてしまいそうですし、それを乗り越えても、違うプロジェクトの理解はそのまま適用できないし、フェーズの違いもある中で、ただ単に雰囲気の決定に逃げずに、決定軸を持って踏ん張るのは大変だと思います。
カンファレンスを通じての自身の変化
今までの興味は、「どんなプロダクトを作るか、どうやって作るか」にありましたが、プロダクト理解の視点はそれ以外にもあり(険しい道のりだと思いますが)必要なものをひとつひとつ獲得していけばプロダクトマネジメントは可能だと感じました。
プロダクトマネジメントの観点で考える Gaji-Labo としての支援
最後に、Gaji-Labo がプロダクトマネジメントの観点で、どのように支援先のプロダクトチームに貢献できるか考えてみます。カンファレンスの学びを意識すると、ドメイン理解のためのアプローチが見えてきます。製品と取り巻く環境とユーザーの関係、市場に出た製品の現状のフェーズ、ユーザーにとっての機能のコア、こういった理解・分析によって共通の認識を持ててこそ、Gaji-Labo の強みである高い専門性とチームワークが活かせると考えます。
Gaji-Labo は新規事業やサービス開発に取り組む、事業会社・スタートアップへの支援を行っています。
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