最近の 1on1 – 個人にあわせたチューニング


以前書いた 1on1 の記事の続きです。
前回は 1on1 を行うとき全員に対して共通して意識していることを書きました。今回は個々人の状態にあわせてどんなことを意識して調整しているかを書いていきます。

相手の状態にあわせてチューニングすること

僕の 1on1 はスタッフのための時間なので、前回の記事で書いた内容を原則としつつ個別の調整もしています。
相手の状況や状態によって話すべき内容も変わってくるので、こちらから話題をふるときや何かの応答をするときに下記のようなことを意識しています。

新しい役割を担っている人

これまでとは違う新しい役割に挑戦してもらっている人は自分のなかでも正解が分からず悩んでいたり・集中すべき物事を自覚できず停滞していたりする事が多いように感じています。
ある程度は教えられる事もあるとは思うのですが、まずは自分の中で答えを出しそれを実行していくことが重要です。
そういう場合は下記のようなことを聞くように心がけています。

  • 自分の役割はなんであると認識しているか
  • そのためには何をしなければいけないか
  • まず最初に実行しようと思っていることは何か
  • それらはチーム・組織の方針や考えとすりあっているか

これらを確認していくとスムースに答えられるものとそうでないものがでてきます。
また僕の視点からのズレも出てくることがあります。そのような引っ掛かりポイントについてずれている可能性を提示し、それについてどう考えるかを一緒に話したりしています。
そうすることで自分の役割と会社の方針をすりあわせながら自分の行動を修正していくヒントを積み上げていけるのではないかと考えています。

停滞や今後に悩んでいる人

長いキャリアを過ごしていると手応えを感じている時期もあれば停滞していると感じ落ち込むことが続く時期もあります。
この状態は千差万別だと思うので何かの枠にあてはめるべきではないとも感じています。とはいえ当たり障りのない 1on1 をすればそれこそ信頼を損ねてしまいます。
なので、話をするときは下記のことを気にかけています。

  • 真摯に話を聞くこと
  • 安易な断定をしない(気のせいだよみたいな発言は禁句)
  • 本人の視点をしっかり聞き出したあと、原田からはどう見えているかを伝える
  • 相手が心配していることより広い(もしくは狭い)範囲の話を盛り込む
  • 前回からの変化の確認

悩んでいる当人には僕からは分からない心の負担があるはずです。そんなときに軽くあしらわれたり話を理解してもらえないと感じてしまえば 1on1 で話せることはひとつも無くなってしまいます。
まずは自分の言葉でどう考えているかを話してもらうために時間を使います。本人の悩みに至る過程をできるだけ多く話してもらえれば、物事を整理し扱いきれる粒度に分けるチャンスも生まれます。

そうやって出てきた不安や悩みを否定することなく、原田からはどういう風に見えているかや、もうちょっと広い視点だと見え方が変わらないかなどを伝えて本人がハマってしまった状況から少しでも脱するヒントを探すようにしています。

人間は自分が扱いきれないサイズの不安や悩みに直面すると身動きが取れなくなります。沢山話を聞いて二人でひとつひとつ分解していければ、段々視界がひらけていき気持ちも楽になるのではと考えています。
気持ちが楽になった程度で解決する悩みであればそもそも悩む必要もないのですが、そんな簡単ではないことが多いと思います。それでも気持ちが楽になり、扱えるサイズの不安になることで少しでも取り組めるようになればまた前に進むと信じています。そしてその小さな変化を見逃さず、状況は変えられるということを実感できるような会話を意識しています。

継続的な伸びを示している人

日々の業務を通して安定してパフォーマンスを出し、自分が取り組むべきことを理解しているように感じる相手とは、余計な迷いを感じさせず、かつ自分の行動に自信を持ってもらうことを大事にしています。
みんなにはこの状態をできるだけ良い形で自分で維持できるにはどうすればいいかを考えてもらいたいと思っています。(だからといって悩んでいることや停滞していることが悪いとは思いません。そこのあたりは誤解を生まないように気をつけています。)

この状態にある人とは下記のようなことを意識して話すようにしています。

  • 原田(ひいては会社)との信頼関係の構築・維持
  • 少し気になったこと心に引っかかっていることをすぐに言える関係づくり
  • 疑問になんらかの答えやヒントを得られる場にする
  • 原田の視点をとおして自分の状態を見直すきっかけづくり

自分の足で走れているなら上司はできるだけ介入しないほうがいいと考えています。
そのためには会社が求めていることを本人なりに理解し行動がすりあっていて高い成果を出せる状態が理想です。
そのすり合わせを行う場として気になったことをすぐに確認できるようにするためには、どんな話でも気軽に切り出せる関係性が大切です。

タッチポイントを維持すること、気軽になんでも話せるようにすることが大事だと考えているので、ふられた話題には率直に答えこの場が役に立つものなんだと実感してもらえるよう意識しています。
そうやって何度かすり合わせを繰り返していると目の前の行動に悩みがなくり目標に向かって淡々と取り組める状態ができます。そうなると話すことがなくなってくるのですが、そういうときはできるだけ楽しい雑談をしたいと思っています。

「本当に話したいことは 1on1 以外の場で解決していて 1on1 では雑談しているのが理想」ということは定期的に伝えるようにしています。
話すことないねーって笑いながら最近あったことやおすすめの食べ物の話をしているとき大きな手応えを感じます。どちらともなく「今日は良い雑談ができた」とお互いの実感を確認しあえれば最高の 1on1 です。

最高の雑談がしたい

頭を悩ます課題がなく健康的な日々が常に続くということはありえません。
それでも 1on1 で培った信頼関係と組織文化を駆使して 1on1 に頼ることなく前進していけるような状態を作り維持したいと考えています。
どんなにシビアな話もすぐに相談して取り組めるような土壌づくりのために 1on1 を活用していきたいです。
そして 1on1 では楽しい雑談を沢山できるような良好な関係を社内全体で作っていくのが夢です。

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投稿者 Harada Naotaka

受託と事業会社の両方を経験し、沢山の事業を見てみたい気持ちで Gaji-Labo を共同創業。普段は雑用やったりプロジェクトマネジメントやったり、たまにフロントエンドのコードを書いたり。直近は Gaji-Labo をデザイン会社に転換していく課題に挑戦中。期待値コントロールにステ全振り。