Claude Code の精度を上げる Explore サブエージェント

皆さんは Claude Code に指示を出したとき、コードベースの理解が浅いまま処理されてしまった経験はありませんか？

そこで使えるのが Explore サブエージェントです。Claude Code にビルトインされた、追加設定も不要の読み取り専用エージェントです。

Claude Code のコードベース理解を深める

Explore サブエージェントは、コードベースの検索・分析に特化した読み取り専用のビルトインのサブエージェントです。

Claude Code が必要と判断すれば自動的に呼び出されますが、明示的に呼ぶ場合は @agent-Explore と入力すれば呼び出せます。私は以下のような形で使っています。

• 「@agent-Explore でこのプロジェクトの認証周りの実装を調べてください」
• 「実装を始める前に、@agent-Explore で既存の API エンドポイントのパターンを調べてください」
• 「@agent-Explore でコードベースをよく調べてから再検討してください」

Explore を使って改善した具体例

Explore を使うようになってから、コードベース理解が浅いまま処理されてしまうケースが減ったと感じています。

例えば、あるプロジェクトでエラーが発生したとき、Claude Code がモックデータの問題ではなく環境構築を疑い、堂々巡りになってしまったことがありました。Explore でコードベースを調べさせたところ、モックデータの構造に問題があることがすぐに判明し、解決に至りました。

また、テストコードを書かせると、プロジェクトの既存のテストの書き方と乖離した実装になることが多々ありました。事前に Explore で既存のテストコードを調べさせることで、プロジェクトの書き方に沿った回答を得られるようになり、やり取りの回数も減りました。

Explore サブエージェントをおすすめする理由

誰でもすぐに使える

ビルトインなので、設定やカスタマイズは不要です。Claude Code に不慣れな人でも、インストールした時点で使い始められます。

「このプロジェクトだけで使える便利なカスタム設定」ではなく「どのプロジェクトでも同じように使える標準機能」だからこそ、別々のプロジェクトで働くメンバー同士でも知見を共有できます。

活躍する場面が多い

Claude Code は、プロジェクトのコードベースを事前に学習・インデックス化するスタイルではありません。つまり、作業のたびにコードを読ませる必要があります。

「この対応に必要な関連ロジックを事前に調べて」「既存の作りを踏襲するために類似のコンポーネントをよく調べて」といった問いかけを頻繁に行うことで、メインコンテキストとは別のコンテキストでしっかりした調査をさせ、あらゆる処理の精度向上が期待できます。Explore サブエージェントはまさにこうしたコードベース探索に特化しており、活躍する場面が多いと感じています。

サブエージェントの良さがわかりやすい

Explore サブエージェントは読み取り専用なので、複数の調査を並列で走らせても問題ありません。また、サブエージェントに調査を任せれば、読み込んだファイルの内容はサブエージェント側のコンテキストに留まり、メインの会話には調査結果のサマリーだけが返ってきます。

並列実行できること、コンテキストが分けられること。こうしたサブエージェントの良さを実感しやすいのも、Explore サブエージェントをおすすめしたい理由のひとつです。

共有したあとに活かされる技術共有

今回紹介した Explore サブエージェントは、先日、社内のテックシェアで紹介したものです。Gaji-Labo では別々のプロジェクトにアサインされているメンバー間でも有効活用できるような技術共有を心がけていて、このサブエージェントも様々なプロジェクトで活用できるものということでテーマに挙げました。

実は以前、Explore サブエージェントとほぼ同じ機能を持つコードベース探索用のサブエージェントを自作して使っていました。私はいくつか自作サブエージェントを用意していますが、自作のものはプロジェクトごとの特性に合わせて作っているため、他のメンバーに紹介してもすぐに取り入れてもらうのが難しいと考えています。ですが、ビルトインであればどのプロジェクトでもすぐに使い始められます。

サブエージェントをあまり有効活用できてなかったという方にはぜひ Explore サブエージェントを使っていただいて、それをベースに自作のサブエージェントにチャレンジしていただきたいです。

Gaji-Labo では、ただ共有するだけでなく、共有する相手のことを考え、チームを強くしていく、そうしたアウトカムを意識した行動をメンバーみんなが取っています。今回紹介した「ビルトインだからこそ共有しやすい」という視点も、そのひとつです。

今後も自己満足の技術共有ではなく、共有された後に活かされることを考えた技術共有をしていきたいですね。

Gaji-Labo フロントエンドエンジニア向けご案内資料