不確実なプロジェクトで判断材料を整えていった話
こんにちは、Gaji-Labo フロントエンドエンジニアの金城です。
仕様や対象がはっきりしないまま進めざるを得ない作業は、どんなプロジェクトにも少なからずあると思います。先日携わった CMS 移管プロジェクトがまさにそうで、何をどう移すのが適切なのか、初期の段階では見通しが立ちませんでした。こうした状況は特定の誰かの準備不足というより、移管という作業に備わった性質だと感じています。
今回は、そうした状況でどのように判断材料を整えていったかを書いていきます。
不確実さを見える形にする
最初にやったのは、移管元のデータを実際に確認していくことでした。
データを確認していくと、例えばテスト用に作られたまま残っていたカテゴリのように、移管が必要かどうかすぐには判断のつかないものが出てきます。手を動かしてみることで、判断が必要な対象が見えてきました。
本文の HTML についても同様でした。移管先でどのタグや属性を許可するかを決めるには、まず実態を把握する必要がありました。そこで、移管スクリプト本体を作り始める前に、移管対象のすべてのページを対象に、移管先で使わないタグや属性がどのページのどこで使われているかを一件ずつ洗い出した一覧を用意しました。タグ名や使用回数に加えて、該当する投稿やページまで列に並べておくと、全体の傾向をつかみつつ実際の箇所までたどれます。こうして、それまでつかめなかった使用実態が一覧として見える状態になりました。
見えたものに判断・対応を紐づける
実態が見えてきたら、次はそれぞれに判断を紐づけていきます。
移管対象の範囲については、判断がつかないものに「移管先のサイトでも公開し続ける必要があるか」「今も参照されている情報か」を問いとして当て、不要と分かったものは範囲から外して対象を絞り込んでいきました。
タグの扱いについては、洗い出した一覧とは別に、各タグをどう扱うかをまとめた表を用意しました。不使用のタグごとに移行方針案や検討事項を記載した表です。
例えば <font> のような装飾タグは、タグだけ外して中身を残すことにしました。また、見出しの <h5> は、見た目を整えるために本来とは違う見出しレベルが使われていた箇所があったため、移管のタイミングで適切に直す方向で進めました。他にも <script> のように、実際の使われ方を確認したうえで「今回の移管では不要なので、すべて削除でよい」という判断となったタグもあります。
使用実態が見えていないうちは、タグの扱いを決めようがありません。実態を見える形にすることで、タグごとの具体的な判断が前に進められるようになりました。
おわりに
今回の移管を振り返ると、判断材料が不足した不確実な状況だからこそ、事実を一つずつ整理して見える形にしていくプロセスが何より大切だと改めて感じました。
洗い出した情報をチームで見られる状態にしたことで、開発側だけでなくプロジェクトに関わる全員が同じ目線に立ち、納得感を持って意思決定を前に進めることができました。混沌とした状況でも、丁寧に情報を整えることが、次の一歩を踏み出すための確かな材料になったのだと思います。
Gaji-Labo には、関わる人たちと課題を共有し、ひとつのチームとして動くという考え方があります。複雑な状況でも情報を整理し、みんなで判断を重ねていくという今回のプロセスは、まさにその考え方に沿った進め方だったと感じています。
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